「ようにする」の意味と使い方完全ガイド!違いや敬語・英語表現まで徹底解説
日常の会話からビジネスメールのやり取りまで、毎日のように耳にする「ようにする」という言い回し。しかし、実際のコミュニケーションの現場では、「『ようにしている』と何が違うのか」「『ことにする』や『ようになる』とどう使い分けるべきか」「目上の相手に使っても失礼にならないか」と迷う場面が少なくありません。
日本語教育やビジネスコミュニケーションの現場において、この表現は話し手の「配慮」や「努力の姿勢」を伝える極めて重要な役割を担っています。ニュアンスのわずかなズレが思わぬ誤解を招くこともあれば、的確な敬語表現への変換によって信頼感を劇的に高めることも可能です。この記事では、「ようにする」の根本的な意味構造から実践的な例文、ビジネスでの言い換え、英語表現まで、言語心理学と実務の両面から徹底的に紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「ようにする」の本質は、状態の実現に向けた「意識的な努力・配慮・働きかけ」を表明する点にある。
- 要点2:「ようにしている」は現在進行形の習慣、「ことにする」は個人の即時決定、「ようになる」は自然な能力・状態変化を表す。
- 要点3:ビジネスで目上に「〜するようにしてください」は失礼。「〜よう努めます」「〜していただけますようお願い申し上げます」へ変換が必須。
【文法解説】「ようにする」の基本意味と接続方法|努力や習慣のニュアンスを解剖
日本語能力試験(JLPT N3文法)でも頻出する「ようにする」は、「ある望ましい状態や結果を実現させるために、意識して努力したり、工夫・配慮して行動したりする」という意味を表す文法形式です。単に「行動を起こす」だけでなく、そこに至るまでの「意識的な働きかけ」に焦点が当たります。
文法上の接続方法動詞辞書形および「ない形(否定形)」に接続するのが基本ルールです。可能動詞や状態を表す動詞とも親和性が高く、自らの意志で直接コントロールしにくい状態を目標に設定する際にも重宝されます。
| 接続パターン | 文法ルール | 具体的用例 | ニュアンス・解説 |
|---|---|---|---|
| 動詞辞書形 + ようにする | 動詞の基本形(肯定) | 毎朝6時に起きるようにする。 | 「起きる」という目標に向け、目覚ましをかける等の努力・意志を含む。 |
| 動詞ない形 + ようにする | 動詞の否定形 | 夜遅くにスマホを見ないようにする。 | 悪習を断つ、あるいは失敗を避けるための抑制的な努力を表す。 |
| 可能形 + ようにする | 可能動詞辞書形 | 英語でプレゼンができるようにする。 | 能力の獲得や達成基準を目標に据えてトレーニングを積む意志を示す。 |
このように、「ようにする」の根底には努力や習慣のニュアンスが存在しており、ただ「〇〇する」と言い切る場合に比べて、「確約はできないが最善を尽くす」「その方向へ自分をコントロールする」という謙虚さや配慮が内包されます。

「ようにする」と「ようにしている」の決定的な違いとは?
検索ユーザーや日本語学習者が最も混同しやすいのが、「ようにする」と「ようにしている」の違いです。この二者は一見似ていますが、「決意の瞬間(これから)」か「定着した習慣(現在進行)」かという時間軸と行動フェーズにおいて明確な境界線が存在します。
「明日から野菜を多く食べるようにする」と言った場合、それは「今この瞬間に決めた今後の行動指針・決意」を示します。まだ行動そのものは始まっていないか、始めたばかりの初期段階です。一方、「健康のために毎日野菜を多く食べるようにしている」と言った場合は、「すでに過去から現在にかけて意識的にその行動を反復・継続している習慣」を意味します。
知恵袋やSNSなどのコミュニティでも「面接で『遅刻しないようにします』と答えたら『普段は遅刻しているのか』と突っ込まれた」という相談が見られますが、これはまさに時制の罠です。就職活動や面談などで自己管理能力をアピールする際は、「日頃から時間に余裕を持って行動するようにしております」と習慣形(進行形)で伝えるのが、信頼を獲得するための定石となります。
類似表現との違いを完全比較|「ことにする」「ようになる」との違い
日本語には「〜にする」から派生する表現が複数あり、状況に応じた使い分けが不可欠です。特に「ことにする」「ようになる」との混同は、コミュニケーションにおける意図の伝達ミスを生む主要因となります。
| 表現形式 | 文法的なコア意味 | 例文 | 使い分けのポイント |
|---|---|---|---|
| ようにする | 目標達成への努力・働きかけ | 早く寝るようにする。 | 「努力・配慮」が主軸。達成が確実でない場合にも使う。 |
| ことにする | 主体的な決断・選択 | 来月転職することにする。 | 「明確な意思決定」を表す。努力ではなく選択そのものを指す。 |
| ようになる | 自然な変化・能力の獲得 | 日本語が話せるようになった。 | 意志とは無関係な「変化の結果」に着目する(無意志的変化)。 |
例えば、「タバコをやめる」という同一の事象でも、選択のニュアンスによって使い分けられます。
- 「タバコをやめることにした」=キッパリと禁煙を決断した(意思決定)。
- 「タバコを吸わないようにする」=本数を減らすなど吸わない方向へ努力する(努力・配慮)。
- 「タバコを吸わないようになった」=環境や体質の変化で自然と吸わなくなった(状態変化)。

【ビジネス実践】誤用で損をしないための敬語表現とメール例文
ビジネスシーンにおいて「ようにする」をそのまま相手への依頼に使うと、重大なマナー違反になるリスクがあります。典型的な誤用例が、上司や取引先に対して「資料を明日までに確認するようにしてください」と言ってしまうケースです。
「〜ようにしてください」は文法上、指示・命令を柔らかくした表現に過ぎず、基本的には「目上から目下への指示」として機能します。同僚や部下に注意を促す分には問題ありませんが、上位者に対して使うと「指示・指導されている」という不快感を与えてしまいます。
相手に依頼・配慮を求める場合の敬語変換
取引先や上司に対して行動を促したい場合は、以下のように尊敬語や丁寧な依頼表現へと置き換えるのが鉄則です。
- NG(失礼):「添付ファイルをご確認いただくようにしてください。」
- OK(標準):「添付ファイルをご確認いただきますようお願い申し上げます。」
- OK(より丁寧):「恐れ入りますが、添付ファイルをご確認のほどよろしくお願いいたします。」
自分自身の行動・努力を伝える場合の謙譲表現
ミスを挽回する際や業務方針を伝える際、自分の努力姿勢を示すには謙譲語の「努める(つとめる)」や「心掛ける」を活用します。
- 通常表現:「今後は納期に遅れないようにします。」
- ビジネス敬語:「今後は再発防止に向け、納期の徹底管理に努めてまいります(心掛けてまいります)。」
社内外のやり取りで「努める」を用いると、単なる意志表明を超えて「組織としての責任感と実効性」を伴った誠実な印象を相手に届けられます。
【実態検証】日常会話から英語表現まで|現場で役立つ例文集と英語翻訳のコツ
グローバル化やAI翻訳ツールの普及が進む現在、日本語特有の「努力や配慮を含ませる表現」をいかに英語へ正確に移し替えるかという課題が増加しています。「ようにする」の英語表現は、文脈や確実性のレベルに応じて主に3つの動詞フレーズで表現されます。
| 英語表現 | ニュアンスの強さ | 英語例文 | 日本語訳 |
|---|---|---|---|
| make sure to / that | 確実・必須(強い意志) | I will make sure to submit the report by Friday. | 金曜までに確実にレポートを提出するようにします。 |
| try to / try not to | 努力・試行(標準) | I try to drink at least two liters of water daily. | 毎日少なくとも2リットルの水を飲むようにしています。 |
| see to it that | 手配・配慮(フォーマル) | Please see to it that all errors are resolved. | すべてのエラーが解消されるようお取り計らいください。 |
翻訳実務において、「I will try to do it」と訳すと「やってみるけれどできないかもしれない」という消極的なニュアンスが強調される恐れがあります。ビジネスで「確実にそうなるよう努める」と意思表示したい場合は、make sure toやtake care toを選択するのが現場でのベストプラクティスです。

【プロの結論】コミュニケーション心理学から見る使い分けと判断基準
言語社会学およびコミュニケーション心理学の観点から見ると、「ようにする」という曖昧さを含んだ婉曲表現は、日本的な「心理的バウンダリー(境界線)」を維持するための高度な緩衝材として機能しています。
ストレートに「〜します」「〜してください」と断言すると、相手に圧迫感を与えたり、万が一達成できなかった際のリスクを全背負いすることになります。一方で、「ようにする」を介在させることで、「努力する姿勢を見せつつ、不測の事態に対する心理的余白を確保する」という防衛機制が働きます。しかし、この便利な緩衝材も、使い方を誤ると「優柔不断」「責任逃れ」と捉えられかねません。
【実践判断基準】使うべきシチュエーション・避けるべき状況
- 使うべき状況(向いている人・場面):
- 長期的な生活習慣の改善や健康管理の目標を立てるとき。
- 部下や後輩に対し、高圧的にならず自発的な改善を促したいとき。
- 取引先に対して「最善を尽くす」という誠実な姿勢・配慮を伝えたいとき(「〜よう努めます」を使用)。
- 避けるべき状況(慎重になるべき場面):
- 法的な契約事項や厳格な締切など、100%の確実性が求められる約束をするとき(断言する「〇〇いたします」を用いる)。
- 重大なトラブルの謝罪会見や原因究明の場で、再発防止策を提示するとき(「〜しないようにする」では当事者意識の欠如とみなされるリスクがある)。
- 目上の人物に対して指示・要望を出すとき(敬語の「〜ようお願い申し上げます」に置き換える)。
【よう に する】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「〜するようにしてください」は社内の先輩や上司に使っても良いですか?
A1:避けるべきです。「〜するようにしてください」は命令形を丁寧にした表現であり、本質的には指示出しの言葉です。先輩や上司に対して依頼する場合は「〜していただけますようお願いいたします」や「〜していただけますと幸いです」と言い換えてください。
Q2:「〜ようとする」と「〜ようにする」の違いは何ですか?
A2:焦点が異なります。「〜ようとする」は「まさに今その行動を起こそうと試みる(直前の瞬間)」や「試行錯誤」に焦点があります(例:ドアを開けようとする)。一方、「〜ようにする」は「目標に向かって意識的に行動・配慮を整える」という継続的な意志や努力に焦点があります。
Q3:否定形「〜ないようにする」を使う際の注意点は?
A3:禁止や自制を表すのに便利ですが、ビジネスの重大なミスに対する誓約として「ミスをしないようにします」とだけ答えると、「努力目標にとどまっている」と受け取られることがあります。重要な場面では「ミスを未然に防ぐため、二重チェック体制を徹底いたします」と具体策を伴って述べるのが適切です。
まとめ:ニュアンスの解像度を高めて円滑な関係性を築く
「ようにする」という言葉は、私たちの日常や仕事において、他者への配慮や自己管理の意志を伝える強力なツールです。「ようにしている」との時制の違いを理解し、「ことにする」「ようになる」といった類似表現と正しく使い分けることで、言葉の解像度は飛躍的に向上します。
特にビジネスコミュニケーションにおいては、単に文法的な正しさを追うだけでなく、相手との関係性や心理的距離感を踏まえた敬語変換(「〜よう努める」「〜ようお願い申し上げる」)が欠かせません。言葉の持つ微細なニュアンスを味方につけ、より円滑で信頼に満ちた人間関係を構築していきましょう。 (出典: よう に する(Yahoo!ニュース))