2021年サッカー日本代表の日程と結果|激動の最終予選を総括
2021年のサッカー日本代表(サムライブルー)は、新型コロナウイルス禍による異例の過密日程と、FIFAワールドカップカタール2022出場権を巡る極限のプレッシャーが交錯した激動の1年でした。前半戦の破竹のゴールラッシュから一転、秋に開幕したカタールW杯アジア最終予選では初戦黒星という絶望的なスタートを切り、森保一監督の進退問題にまで発展しました。
アウェー戦の地上波テレビ中継消滅に伴うDAZN独占配信の是非や、東京五輪との兼任体制がもたらした負荷など、ピッチ内外で日本サッカー界が激震に見舞われた2021年。本稿では、当時の公式記録、現場取材の証言、そして2026年現在の視点を交えながら、2021年の全日程・試合結果とターニングポイントとなった舞台裏を徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2021年のサムライブルーは国際Aマッチ12試合を戦い、10勝2敗(2次予選・親善試合は全勝、最終予選は4勝2敗)を記録。
- 要点2:最終予選序盤のオマーン戦・サウジアラビア戦の敗北で崖っぷちに追い込まれるも、システムを「4-3-3」へ変更し劇的な復活を遂げた。
- 要点3:アウェー戦の地上波放送なし(DAZN独占)や東京五輪との兼任など、過密日程と放映権ビジネスの転換点となった歴史的1年。
【全日程一覧】2021年サッカー日本代表の試合結果と対戦成績データ
2021年のA代表は、3月に行われた宿敵・韓国との国際親善試合(日産スタジアム)での3-0快勝を口火に、コロナ禍で延期されていたカタールW杯アジア2次予選の集中開催を圧倒的な攻撃力で駆け抜けました。しかし、9月に幕を開けたアジア最終予選では一転して極度の得点力不足に喘ぎ、1点を争う緊迫した戦いが続きました。
| 日付・大会名 | 対戦カード・会場 | 試合結果(スコア) | 試合の要点と評価 |
|---|---|---|---|
| 3月25日 国際親善試合 | vs 韓国代表 (日産ス) | 3 - 0 〇 | 山根視来の代表デビュー弾、鎌田大地、遠藤航のゴールで日韓戦として10年ぶりの完勝。 |
| 3月30日 W杯2次予選 | vs モンゴル代表 (フクアリ) | 14 - 0 〇 | 代表史上歴代2位となる大量14得点を記録。選手層の厚さと決定力を見せつけた。 |
| 5月28日 W杯2次予選 | vs ミャンマー代表 (フクアリ) | 10 - 0 〇 | 大迫勇也の5得点などで圧勝し、最終予選進出を決定づけた一戦。 |
| 6月3日 チャリティーマッチ | vs U-24日本代表 (札幌ドーム) | 3 - 0 〇 | ジャマイカ代表の来日トラブルにより急遽組まれた五輪代表との兄弟対決。A代表の貫禄勝ち。 |
| 6月7日 W杯2次予選 | vs タジキスタン代表 (パナスタ) | 4 - 1 〇 | 先制される展開も古橋亨梧、南野拓実らの得点で盤石の逆転勝利。 |
| 6月11日 キリンチャレンジカップ | vs セルビア代表 (ノエスタ) | 1 - 0 〇 | 欧州の堅守を前に伊東純也が決勝ゴール。勝負強さを印象づける。 |
| 6月15日 W杯2次予選 | vs キルギス代表 (パナスタ) | 5 - 1 〇 | オナイウ阿道が代表初先発でハットトリックを達成。2次予選を8戦全勝で終える。 |
| 9月2日 W杯最終予選 第1戦 | vs オマーン代表 (パナスタ) | 0 - 1 ● | 大雨の中、後半終盤に痛恨の失点。ホームでまさかの黒星スタートとなり激震。 |
| 9月7日 W杯最終予選 第2戦 | vs 中国代表 (中立地ドーハ) | 1 - 0 〇 | 伊東純也の突破から大迫勇也が決勝弾。苦しみながらも初白星を死守。 |
| 10月7日 W杯最終予選 第3戦 | vs サウジアラビア代表 (ジッダ) | 0 - 1 ● | アウェーの完全アウェーと酷暑の中、ミスから失点。開幕3戦で2敗の緊急事態に。 |
| 10月12日 W杯最終予選 第4戦 | vs オーストラリア代表 (埼玉ス) | 2 - 1 〇 | 背水の陣で4-3-3を採用。田中碧の先制弾と終盤のオウンゴールで劇的勝利。 |
| 11月11日 W杯最終予選 第5戦 | vs ベトナム代表 (ハノイ) | 1 - 0 〇 | 南野拓実のアシストから伊東純也がゴール。アウェーの劣悪なピッチで勝ち点3を獲得。 |
| 11月16日 W杯最終予選 第6戦 | vs オマーン代表 (マスカット) | 1 - 0 〇 | 途中出場の三笘薫が圧巻の突破から伊東純也の決勝点をアシスト。雪辱を果たす。 |

崖っぷちからの覚醒|カタールW杯アジア最終予選の勝敗経緯と真相
春先のテストマッチや2次予選では大量得点を連発していた日本代表が、なぜ9月の最終予選開幕とともに突如として機能不全に陥ったのか。その最大の理由は、周到に対策を練り上げた対戦国の戦術と、海外組のコンディションの致命的なズレにありました。
初戦のオマーン戦では、相手を率いるブランコ・イバンコビッチ監督が日本の中盤の要である遠藤航と柴崎岳の配球ルートを完璧に遮断。雨でスリッピーなピッチ状態も重なり、欧州から長距離移動で合流したばかりの主力が軒並み重い動きを見せるなか、試合終了間際の88分にサイドを崩されて失点しました。「絶対に負けられない初戦」をホームで落としたショックは日本中に広がり、当時SNSやネット掲示板は指揮官解任を求める声で埋め尽くされました。
続く中国戦を大迫勇也の泥臭いゴールで制したものの、10月のアウェー・サウジアラビア戦では気温30度を超える酷暑と6万人を超える相手サポーターの轟音の前に沈黙。後半26分、不用意なバックパスを奪われて痛恨の決勝ゴールを献上し、0-1で敗戦。3試合を終えて1勝2敗、過去のデータ上「開幕3戦で2敗したチームの本大会出場確率は0%」という絶望的なスタッツがメディアを賑わせました。
日本サッカー協会の首脳陣すら解任の選択肢を脳裏に浮かべるなか、10月12日のオーストラリア戦で森保監督は従来の「4-2-3-1」を捨て、遠藤航、守田英正、田中碧を中盤に並べる「4-3-3」への大転換を決断します。このシステム変更が劇薬となりました。開始わずか8分、代表初先発の田中碧が冷静に沈めて先制。同点に追いつかれた後の85分には、途中出場の浅野拓磨が放ったチップキックが相手のオウンゴールを誘発し、2-1で競り勝ちました。この勝利が、2021年の日本代表を破滅の淵から救い出す決定打となりました。
【実態検証】DAZN独占配信ショックとネットの反応|地上波消滅の余波
2021年の日本代表を語る上で避けて通れないのが、「アウェー戦の地上波テレビ中継の完全消滅」という放映権ビジネスの地殻変動です。アジアサッカー連盟(AFC)が提示した巨額の放映権料に民放キー局が撤退を余儀なくされ、スポーツ動画配信サービス「DAZN」が2028年までの長期独占契約を締結。この結果、9月の中国戦や10月のサウジアラビア戦、11月のベトナム戦・オマーン戦が地上波で一切放送されない事態が生じました。
試合当日の夜、スタメン速報を確認しようとテレビをつけたライト層からは「なぜテレビで代表戦をやっていないのか」「有料配信に加入しないと代表戦が見られない時代になったのか」と困惑と憤りの声が殺到。Twitter(現X)では「DAZN」「地上波なし」がトレンド1位を独占し続けました。
一方で、DAZNが展開した「岡田武史氏と内田篤人氏による副音声解説」や、試合直後の選手本音インタビューなど、有料配信ならではの深みあるコンテンツはコアなサッカーファンから熱狂的な支持を集めました。結果として、代表戦の視聴環境は「国民的行事としてのお茶の間観戦」から「能動的に料金を払って観るパーソナル視聴」へと急速にシフト。ファン層の二極化が進む契機となったのが、まさにこの2021年秋の出来事でした。

一般に知られていない盲点と誤解|森保ジャパン招集メンバーの知られざる内幕
ネット上では当時、「森保監督はベテランや愛弟子を偏重し、新しいタレントを試そうとしない」という批判が定説のように語られていました。しかし、舞台裏の客観的事実を丹念に紐解くと、そこには代表チームの構造的制約と緻密な計算が存在していました。
最大の盲点は、2021年夏に開催された東京五輪サッカー代表日程との連動性です。森保監督は五輪代表監督を兼任しており、過密日程の中で主力を務めた吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航のオーバーエイジ組に加え、久保建英、堂安律、田中碧らは肉体的・精神的なピークを五輪本番に合わせていました。五輪直後の9月に開幕した最終予選において、彼らのバーンアウト(燃え尽き症候群)や負傷リスクをいかにマネジメントするかという極度の難問に直面していたのです。
また、欧州で台頭していた三笘薫の招集が11月まで遅れたことについても批判が集中しましたが、三笘自身が2021年夏に川崎フロンターレからブライトンへ移籍し、即座にベルギーのロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズへ期限付き移籍した直後であり、クラブでの適応と労働ビザ取得の問題が絡んでいました。満を持して11月のオマーン戦の後半から投入された三笘は、ファーストプレーで相手DFを置き去りにし、伊東純也のゴールをアシスト。この瞬間、単なる「ファンの待望論」ではなく、森保監督が温めていた切り札が完璧に機能したことを証明しました。
【プロの結論】勝敗を分けた集団心理と「組織マネジメント」の教訓
2021年の日本代表が崩壊の危機を脱し、息を吹き返したプロセスは、現代の組織論やビジネスにおけるリーダーシップの観点からも極めて示唆に富む教訓を含んでいます。
初戦の躓きによって外圧とバッシングが最高潮に達した際、森保監督は自らの戦術的プライドに固執せず、長谷部誠からキャプテンマークを受け継いだ吉田麻也や中盤の遠藤航らベテラン・中堅選手たちと徹底的な対話を重ねました。オーストラリア戦直前のミーティングでは選手側からの戦術提案を受け入れ、中盤3枚が相互補完する「4-3-3」の導入へと舵を切っています。トップダウンの独断ではなく、現場の当事者意識を引き出す「傾聴型リーダーシップ」が機能した瞬間でした。
この歴史的転換点から私たちが学ぶべき判断基準は明確です。前例踏襲や過去の成功体験に縛られ、硬直化したフォーメーションに固執するリーダーは危機で淘汰されます。一方で、組織が機能不全に陥った際に痛みを伴うシステム変更を即座に受け入れられる柔軟性と、現場の主力を信じて権限を委譲できる度量を備えた組織こそが、絶望的な確率を覆して再生を果たすことができるのです。
【サッカー日本代表 日程 2021】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2021年のカタールW杯最終予選で地上波テレビ放送がなかったのはなぜですか?
A1:アジアサッカー連盟(AFC)が設定した最終予選アウェー戦の放映権料が数十億円規模に高騰し、民放各局やNHKが採算面から獲得を断念したためです。配信プラットフォームの「DAZN」が放映権を独占一括取得したことで、日本代表のホーム戦(テレビ朝日系列)を除くすべてのアウェー戦がDAZN独占配信となりました。
Q2:初戦のオマーン戦で日本代表が歴史的敗北を喫した最大の原因は何でしたか?
A2:欧州組の合流遅れによる深刻なコンディション不良と、雨天によるピッチコンディションの悪化、さらに相手指揮官イバンコビッチ監督による徹底的な「遠藤航封じ」が重なったことが主因です。攻守の切り替えが遅れ、前線と最終ラインが間延びした隙を突かれ、終了間際の88分に決勝ゴールを許しました。
Q3:崖っぷちだった森保ジャパンを救った「4-3-3」システムとは何ですか?
A3:従来のトップ下を置く「4-2-3-1」から、アンカーに遠藤航、インサイドハーフに守田英正と田中碧を配する中盤3人制への変更です。川崎フロンターレ出身の守田と田中の阿吽の呼吸が中盤のボール奪取力と配球力を劇的に改善し、右ウイングの伊東純也の突破力を最大限に引き出す基盤を作りました。

まとめ:2021年の激闘がカタールW杯の快挙へと繋がった道筋
2021年という年は、サッカー日本代表にとってまさに「地獄の淵を見た1年」でした。しかし、オマーンやサウジアラビアに喫した手痛い敗戦、そして解任論渦巻く中で断行された「4-3-3」へのパラダイムシフトがなければ、のちに翌2022年のカタールW杯本大会でドイツやスペインを撃破するサムライブルーの戦術的柔軟性は育まれませんでした。
三笘薫の鮮烈な代表デビュー、伊東純也の鬼気迫る連続ゴール、そして田中碧の台頭など、苦境の中で芽吹いた新たな個性がチームを救い、日本サッカー界の歴史を前へ進めました。結果論ではなく、極限の重圧に晒されながらもピッチ内外で最適解を模索し続けた2021年の足跡こそが、日本代表が真の強豪国へと脱皮するための不可欠な助走期間だったと言えます。 (出典: サッカー日本代表 日程 2021(Yahoo!ニュース))